黒沢建設株式会社

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釣り竿理論

釣り竿理論・関節理論

なぜPC圧着関節工法は耐震性能に優れているのか?

PC圧着関節工法は現在までに350万m²が施工されてきました。PC圧着関節工法の持つ優れた耐震性能が地震国日本において受け入れられてきたために、達成できたといえましょう。それではなぜPC圧着関節工法が耐震性能に優れているのか?
その理由を「釣り竿理論」・「関節理論」を用いて説明します。

釣り竿理論とは?

「釣り竿理論」とは、実際に釣りの仕掛けにおいて、大きな魚や石が釣り針にかかりますとそのまま無理に引っ張れば道糸が切れるか釣り竿が折れてしまいます。そこで先端の釣り針のついたハリス部分だけを弱くして,そこだけが壊れるようにしておけば、道糸や釣り竿は健全なままです。「釣り竿理論」は竿が柱に、道糸が梁に、ハリス部分を目地部と考え、柱と梁には直接的なダメージを与えないという理論です。

関節理論とは?

柱梁接合部に関しては人間の「関節」と同様な動きをすることを基本とします。
たとえば人間の肘などの関節は、骨と骨が関節において回転できるように接合されています。このため転んで手をついたときは関節部による回転によりショックを吸収します。「関節理論」はこの原理を用い、大地震時には接合部の回転変形によって目地部に変形を集中させて地震のエネルギーを吸収する理論です。

「釣り竿理論」・「関節理論」概念図

「釣り竿理論」・「関節理論」概念図

  • 柱、梁のあご部分はせん断破壊をしないようにする
  • 目地部分は部材本体より強度は低めとする
  • 2次ケーブル(接合用ケーブル)は50%程度の緊張で余力を残し、大変形時にも降伏させない

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接続部に「釣り竿理論」・「関節理論」を適用したPC圧着関節工法の各部位の状態

目標性能 部位の変位 各部位の状態
使用限界状態 1/100 ・部材はフルプレストレス
・目地部分はフルプレストレス
終局限界状態 1/75 ・部材はフルプレストレス
・目地部分はパーシャルプレストレス
事故終局限界状態 1/50 ・目地部のみ一部表面剥離
・2次ケーブルは弾性範囲内にあり、柱は健全
・大梁はあごを支点としたシンプルビームとして健全な状態とする
1/25 ・梁の目地部は破壊状態であるが柱は健全
・大梁はあごを支点として、落下することはない

実験により証明されたPC圧着関節工法の特長

載荷実験

2002年秋に東京工業大学においてPC圧着関節工法を適用した、正負繰り返し載荷実験を行いました。PC鋼材にはSCストランドを使用した。

試験体写真
(試験体写真)

載荷実験による層間変形角(θ)一層せん断力(Q)関係

下記の図は本試験から得られた、層間変形角(θ)一層せん断力(Q)関係を表すグラフです。この図のように優れた原点復帰性状を示しています。除荷後の試験体の損傷は軽微で、即ち非線形弾性ともいえる復元力特性といえます。

層間変形角(θ)一層せん断力(Q)関係

試験体接合部付近の様子

試験体接合部付近の写真です。層間変形角1/50まで、部材はほとんど無傷でしたがこのように層間変形角1/25になっても部材そのものの損傷は軽微です。ひび割れが発生しても、プレストレスによってひび割れは閉じました。接合部が人間の関節のように挙動しており「関節理論」が実証されました。

載荷前
載荷前
層間変形角1/25の場合(試験体接合部付近)
層間変形角1/25の場合
(試験体接合部付近)

実験結果

  • 部材角が大きくなるとともに、大梁接合目地部の開きは大きくなるが柱・梁接合部の損傷は微小である
  • 部材変位角が大きくなると、大梁端部とあごの部分が回転するが、これらは2次ケーブルで柱または梁を通して隣の梁とつながっていて、大梁が落下する危険はない
  • 関東大地震の想定部材変位角が1/100程度であったがこれをはるかに超えた1/25位まで耐震効果があることが明らかとなった

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